筋肥大のためのEAA vs BCAA、ボディメイクの専門家が解説
大阪のムキムキマッチョ養成ラボのRiseです。
今回のテーマは「筋肥大のためのEAA vs BCAA、ボディメイクの専門家が解説」です。
EAAとBCAA、様々な情報が溢れかえっていて、結局どちらを選べばいいのか迷っていませんか?
実際、EAAとBCAA、どちらも筋肉の成長に欠かせないアミノ酸ですが、その効果や使い分けには明確な違いがあります。
この記事では、ボディメイクのプロがEAAとBCAAの違い、それぞれの特性、そして筋肥大を最大化するための選び方を解説します。
記事を読み終える頃には、あなたにぴったりのサプリメントがどれなのか理解でき、筋肥大の目標達成に大きく近づくことができるでしょう。
⑴EAA・BCAAとは?
「アミノ酸」は、筋肉、臓器、皮膚、髪など、体のあらゆる組織を作るために必要不可欠な栄養素で、私たちの体は、約20種類のアミノ酸で構成されています。
その20種類のアミノ酸のうち、体内で作ることのできない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸(EAA)」と言い、必須アミノ酸の中の3種類を「BCAA」と呼んでいます。
EAA(Essential Amino Acids)とは、体内で合成できない必須アミノ酸9種類を指します。
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- ロイシン
- バリン
- イソロイシン
- リジン
- スレオニン
- フェニルアラニン
- メチオニン
- ヒスチジン
- トリプトファン
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一方、BCAA(Branched Chain Amino Acids)は、必須アミノ酸のうち、分岐鎖アミノ酸と呼ばれる以下の3種類を指します。
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- ロイシン
- バリン
- イソロイシン
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⑵EAAとBCAA、筋肥大に対する効果の違い
EAAとBCAAは、どちらも筋肥大に欠かせないアミノ酸ですが、それぞれに期待する効果には違いがあります。
↓↓「EAAの主な役割」[1]
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・筋肉の合成促進:筋肉の材料そのもの。EAAはタンパク質と異なり、消化の工程を必要としないため吸収が速いという特徴をもつ。急激にアミノ酸濃度を高めたいときに効果的。
・筋肉の分解抑制:トレーニングやストレスによって引き起こされる筋肉の分解を抑制することで、筋肉量を維持・増加させることができる。
・ホルモン分泌への影響:成長ホルモンやインスリンなどの分泌を促進する効果が期待できる。これらのホルモンは、筋肉の合成を促進、分解を抑制する作用があり、筋肥大に貢献する。
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↓↓「BCAAの主な役割」[2]
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・筋肥大のスイッチの役割:特にロイシンを2〜3g以上摂取することで、筋肉の合成を促進するシグナル伝達経路であるmTORを活性化させる(筋肥大のスイッチを入れる)上で重要な役割を果たしている。
・筋肉のエネルギー源:特にバリンとイソロイシンは、筋肉のエネルギー源として利用される。激しい運動中に摂取することで、筋肉の疲労が軽減され、パフォーマンスの向上が期待できる。
・疲労軽減:運動によって蓄積する、疲労に関わる乳酸の産生を抑制する効果がある。これにより、疲労感を軽減し、より長くトレーニングを続けることができる。
・集中力向上:セロトニンは、精神安定や睡眠促進作用を持つ一方で、過剰に分泌されると疲労感や集中力低下を引き起こす可能性がある。BCAAは、セロトニンの分泌を抑制することで、集中力を維持し、パフォーマンス向上に貢献する。
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ここまで読んで、「EAAにはBCAAが含まれているから、EAAだけ飲めばいいのでは?」と思いませんでしたか?
しかし、それぞれの特性には違いがあるので、上手に使い分けることが重要です。
次の節では、EAAとBCAAそれぞれの使い分け方を解説します。
⑶筋肥大のためのEAA vs BCAA、使い分け方を解説
EAAとBCAAはどちらも筋肉の成長に重要ですが、使い分けが必要です。
ここでは、筋肥大に特化したEAAとBCAAの効果的な使い方を解説します。
■筋肥大に特化した「EAA」の使い方
・トレーニング前後の摂取
トレーニング前に摂取することで、筋肉の材料が体内にある状態でトレーニングができる。トレーニング後に摂取することで、筋タンパク質合成を最大限に引き出すことができる。
・絶食状態での摂取
絶食状態が続く(起床直後など)と、筋肉の分解(カタボリック)が活発になる。このタイミングで吸収の速いEAA(必須アミノ酸)を摂取することで、カタボリックを最小限に抑えることができる。
→ 1回あたり10〜15g程度摂取すると効果的。
✓EAAの弱み
EAAは9種類のアミノ酸を含むため、一般的にBCAAと比較して価格が高い。また、特定のアミノ酸を摂りたい場合、総摂取量が過剰になる可能性がある。例えば、ロイシンを3g摂取するためには、EAA全体で約10~15g必要となり、他のアミノ酸も同時に大量に摂取することになる。その結果、吸収不良を起こし、下痢するリスクが高まる。
■筋肥大に特化した「BCAA」の使い方
・トレーニング中の摂取
トレーニング中に摂取することで、筋肉のエネルギー源として機能し、パフォーマンス向上が期待できる。また、脳内のセロトニン合成を抑制し、集中力の維持効果も期待できる。特に、長時間かつ高強度のトレーニングでは、多くのBCAAが消費されるため、サプリメントでの摂取が有効となる。
→1時間あたり5〜10g程度の摂取で効果が期待できる。
✓BCAAの弱み
BCAAを単独で摂取する場合、他の必須アミノ酸が不足する可能性がある。特に、長期間にわたりBCAAのみを大量に摂取すると、筋タンパク質合成に必要な他の必須アミノ酸が不足し、逆に、筋肉の成長が阻害される可能性がある。
■EAAとBCAAの使い分け方の結論
結論として、EAAは、体内で合成できないアミノ酸9種類を含んでおり、素早い吸収と筋タンパク質合成の促進に優れているため、筋肉の材料が不足している多くの場面(起床時、トレーニング前・後など)で活用できます。
一方、BCAAは、トレーニング中に消費量が増えるため、長時間かつ高強度のトレーニング中のエネルギー補給、疲労軽減、集中力向上を目的に使用するのが適しています。
また、EAAにBCAAが含まれていることに関しては、「コストは気にしない」「必要量(例:ロイシン2〜3g以上/回程度)を確保できる」なら、EAAという選択でもよいでしょう。
このように、両者を適切に組み合わせることで、より効果的なトレーニングとリカバリーが可能になります。
まとめ
EAAとBCAAはどちらも筋肥大に重要なアミノ酸ですが、その使い方には違いがあります。
EAAは全ての必須アミノ酸を含み、筋合成や筋分解抑制に効果的です。
一方、BCAAは運動中のエネルギー供給と疲労軽減、集中力向上に優れています。
それぞれの特性や弱みを理解し、適切に使い分けることで、筋肥大の目標達成に大きく近づくことができるでしょう。
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参考
[1]Jäger, R., Kerksick, C. M., Campbell, B. I., Cribb, P. J., Wells, S. D., Skwiat, T. M., ... & Antonio, J. (2017). International society of sports nutrition position stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14, 1-25.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5477153/
[2]Blomstrand, E. (2006). A role for branched-chain amino acids in reducing central fatigue. The Journal of nutrition, 136(2), 544S-547S.
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