ナチュラル vs ステロイド|筋肥大の限界と現実的な成長速度ナチュラルの筋肥大の限界
大阪のムキムキマッチョ養成ラボのRiseです。
今回のテーマは「ナチュラル vs ステロイド|筋肥大の限界と現実的な成長速度ナチュラルの筋肥大の限界」です。
筋トレを始めると、「どこまで筋肉を大きくできるのか?」という疑問を持つ人が多いですよね。
特にSNSやYouTubeでは、ナチュラル(薬物使用がない)とステロイド(薬物使用)を比較するコンテンツが増えています。
明らかに異次元の筋量を誇る人もいて、「これって本当にナチュラルなの?」と思ったことがある人もいるでしょう。
本記事では、ナチュラルでの筋肥大の限界と現実的な成長速度、そしてステロイド使用者との違いを科学的なデータとともに解説していきます。
⑴筋肥大の基本メカニズム
筋肉を大きくするためには、以下のプロセスが必要です。
①トレーニング刺激
- 適切な負荷で筋繊維を損傷させることが必要。
- 漸進的過負荷(徐々に重量や回数を増やす)が重要。
- コンパウンド種目(スクワット、デッドリフト、ベンチプレス)を中心に構成し、大筋群を中心に鍛える。
②栄養摂取
- 筋肉の成長には十分なタンパク質摂取が必要(目安:体重×1.6-2.2g/日)。
- エネルギー収支がプラス(カロリーオーバー)であることが望ましい。
- 筋合成を最大化するために、1日4〜6回の分割食が有効。
③ホルモン環境
- テストステロンや成長ホルモンが筋合成に影響を与える。
- 高強度のトレーニングや良質な睡眠がホルモン分泌を促進。
- ステロイド使用者は外部からホルモンを補充するため、通常の限界を超えた成長が可能。
④回復
- 睡眠が筋肉の修復と成長に不可欠(7-9時間推奨)。
- オーバートレーニングを避け、適度な休息を取る。
- ストレス管理(コルチゾールの増加を防ぐ)も筋肉の維持に重要。
ナチュラルとステロイドの最大の違いは「ホルモン環境」です。
ナチュラルでは筋合成が体内のホルモンレベルに依存するため、成長には限界があります。
一方、ステロイド使用者はホルモンを外部から補充することで、通常では考えられないレベルの筋肥大が可能になります。
⑵ナチュラルとステロイドの筋肥大の限界
ナチュラルの筋肥大の限界
ナチュラルでの筋肥大には生理的な限界があります。その目安として「FFMI(Fat-Free Mass Index)」が用いられます。
FFMIとは?
FFMI(除脂肪体重指数)は、体脂肪を除いた筋肉量を身長で調整した数値で、計算式は以下の通りです。
FFMIの計算式は次のとおりです。
FFMI = 体重[kg] x (1 – 体脂肪率) ÷ (身長[m])2 = 除脂肪体重[kg] ÷ (身長[m])2
一般的に、ナチュラルの限界値は25前後 と言われています。過去のナチュラルボディビルダーもこの範囲に収まっています。
ナチュラルの成長速度
ナチュラルでの筋肥大のペースは以下のようになります。
トレーニング歴 |
年間の筋肉増加量 |
1年目 |
8-12kg |
2年目 |
4-6kg |
3年目 |
2-3kg |
4年目以降 |
1-2kg |
最初の1〜2年が最も成長しやすく、この期間は「初心者ボーナス」として知られています。この期間は適切なトレーニングと栄養摂取を行うことで、最も大きな成長を見込めます。
しかし、トレーニング歴が長くなるにつれ、筋肉の成長は減速します。これは、筋合成と分解のバランスが変化し、適応限界に近づくためです。そのため、中級者以降はボリュームや強度の調整が重要となります。
また、筋肉の成長速度は、遺伝的要素、トレーニングの質、栄養状態、回復の質 に大きく左右されます。適切なプログラムを継続することで、最大限の成長を目指すことができます。
ステロイド使用者の筋肥大の限界
ステロイドを使用すると、ホルモン環境が大幅に変わり、筋肥大の限界が飛躍的に向上します。
FFMIの違い
ステロイド使用者のFFMIは 30以上 に到達することも珍しくありません。例えば、有名なプロボディビルダーはFFMI 35-40 に達すると推測されています。
筋肥大のペース
ステロイド使用者の筋肥大スピードは、ナチュラルとは大きく異なります。
トレーニング歴 |
年間の筋肉増加量(ステロイド使用時) |
1年目 |
15-20kg |
2年目 |
8-12kg |
3年目 |
5-8kg |
4年目以降 |
3-5kg |
ナチュラルの成長速度と比べ、ほぼ 2倍以上 のスピードで筋肥大が可能になります。
⑶ナチュラルとステロイドのトレーニング戦略の違い
ナチュラルの効果的な戦略
ナチュラルの場合、筋肉の回復に時間がかかるため、以下の点が重要になります。
頻度とボリュームのバランス
各部位を48〜72時間ごとに鍛えることで、筋回復を最大化。
例えば、上半身と下半身を分ける「アッパー/ローワースプリット」や、「押す動作/引く動作」で分割する「プッシュ・プル・レッグス(PPL)」が効果的。
1回のトレーニングで9〜12セット(各部位)を行うと、筋肥大に最適。
漸進的過負荷
週ごとに重量を2.5〜5%増やすのが理想。ただし、フォームの維持を最優先し、無理に重量を上げない。
レップ数が簡単にこなせるようになったら、重量を追加する。
十分な回復
筋肉修復には睡眠が不可欠。最低でも7時間の睡眠を確保。タンパク質は1回の食事で体重×0.4g程度摂取すると、筋合成が促進される。
炭水化物も適量摂取し、筋肉のエネルギー源となるグリコーゲンを補充する。
ステロイド使用者の戦略
ステロイド使用者は回復が早いため、ナチュラルよりも高頻度・高ボリュームのトレーニングが可能になります。
高ボリューム & 高頻度
ステロイド使用者は回復が早いため、通常よりも頻度とボリュームを増やしても疲労が蓄積しにくい。
毎回のワークアウトで最大限のパンプを得るために、セット数やドロップセット、スーパーセットを活用。
過剰な食事摂取も可能
ステロイドによる筋タンパク合成の促進により、通常なら脂肪に変わる余剰カロリーが筋肉の成長に回されやすい。
体重×2.5g以上のタンパク質摂取が推奨される。炭水化物も大量に摂取することで、筋グリコーゲンを最大限に活用し、ワークアウトのパフォーマンスを向上。
短期間でのピーク
ステロイド使用者は水分やナトリウムの調整によって急速に体の見た目を変化させることができる。
筋肉のパンプを最大化するため、炭水化物のローディングやナトリウム操作を行い、より引き締まった外見を演出。
コンディションを短期間で仕上げることができるため、大会前の減量期間が短縮可能。
⑷ステロイド使用の健康リスク
肉体的影響
ホルモンバランスの崩壊
ステロイドを使用すると、体内の自然なテストステロン分泌が抑制され、使用を中止するとホルモンのバランスが崩れ、男性ホルモンの低下(低テストステロン症)につながる。
その結果、筋肉量の減少、性欲減退、慢性的な疲労、抑うつ症状が現れる。長期間の使用により、精巣の萎縮や不妊のリスクが高まる。
心血管疾患リスクの増加
ステロイド使用者は、LDL(悪玉コレステロール)が上昇し、HDL(善玉コレステロール)が減少するため、動脈硬化が進行しやすい。
高血圧や血液の粘度上昇による血栓リスクの増加も報告されており、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まる。長期使用者では心臓肥大が起こる可能性があり、心不全のリスクも高まる。
肝臓・腎臓への負担
経口ステロイドは肝臓に負担をかけ、長期間使用すると肝機能障害や肝腫瘍のリスクが増大する。
腎臓にも悪影響を及ぼし、高血圧と併せて腎不全を引き起こす可能性がある。血液検査でAST、ALTの数値が異常に高い場合、肝臓に深刻なダメージが生じている可能性がある。
精神的影響
攻撃性の増加(ロイド・レイジ)
ステロイドは脳内の神経伝達物質に影響を与え、異常な攻撃性を引き起こすことがある。怒りっぽくなる、衝動的な行動が増えるなど、対人関係に悪影響を及ぼす。
うつ症状や依存症
ステロイド使用を中止した際、ホルモンバランスの急激な変化により、重度のうつ症状を引き起こすことがある。
使用を続けることで心理的・生理的依存が生じ、止めることが難しくなる。一度ステロイドに頼ると、以前の筋肉量に戻ることへの恐怖から、使用をやめられなくなるケースも多い。
短期間の成功を求めて安易に手を出すと、取り返しのつかない健康リスクを背負うことになります。正しい知識を持ち、安全なトレーニング方法を選択することが重要です。
まとめ
ナチュラルで筋肥大を目指す場合、以下の現実を受け入れる必要があります。
✅ FFMI 25前後がナチュラルの限界
✅ 最初の2年が最も筋肥大しやすい
✅ 年間の筋肉増加は徐々に減速する
✅ 継続的なトレーニングと適切な栄養がカギ
一方、ステロイド使用は速い成長を実現しますが、その代償も大きいです。
ナチュラルでの成長を受け入れ、長期的な視点でトレーニングを続けることが最も健康的で現実的な選択肢となるでしょう。
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参考文献
- Nuckols, Greg. "Natural Muscle Growth: How Big Can You Get?" Stronger by Science, 2023.
- Schoenfeld, Brad J. "The Mechanisms of Muscle Hypertrophy and Their Application to Resistance Training." Journal of Strength and Conditioning Research, 2010.
- Phillips, Stuart M. "Dietary protein requirements and adaptive advantages in athletes." British Journal of Nutrition, 2012.
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